【体験談】0点か満点か? それが問題だ
【目次】
事前準備と試験当日
会場までのルートは調べたが……
試験会場は駅から徒歩3分のところにある。
初めて降りる駅だったので事前にGoogleマップで経路を調査済み。
駅の東口から出て右に進み、コンビニで左折。
あとはそのまま直進。郵便局が見えてきたら到着間近。
地図を描くまでもない。
試験当日。
東口改札を抜けたところで立ち止まる。
どちらへ進むべきかわからない。
出口は1つしかないと思っていたのだが、左右にある。
東口の北出口と南出口と思われる。
まごまごしている暇はないので、ひとまず左へ。
目の前の景色に見覚えがない。
ということは右が正解ということなのだろう。
いったん改札口までもどり、反対の出口へ。
試験ではこういう想定外の時間ロスは避けたい。
階段を降りると、Googleマップで見た景色があった。
事前チェックしておいてよかったとホッと安堵。
その後は会場まで迷うことなくたどり着けた。
会場へもどる道すがら、これも事前に調べておけばなァと思う。
- 教訓 その1
- 会場までのルートは事前にチェック!
落ち着ける場所も事前にチェック
受付で受験する試験名と名前を告げる。
その後、担当の方に案内されて試験会場へ。
学校の教室より広い。
以前MOSの試験を受けたPC教室では小ぢんまりしたスペースを有効活用するため隣同士をパーテーションで区切っていた。
ここは仕切りがなく、一つ一つの席が離されて個々のパーソナルスペースを確保している。
要するにそれだけ空間的ゆとりがある。
席に座ると斜め前の席のモニターが丸見えだった。
不正行為をするつもりはないが、ちょっと気になる。
今のところ受験者は一人。
これから増えてくるのだろうが、その位置に同じ試験の受験者を座らせないなどの配慮は行うだろう。
自分が操作することになるパソコンの説明を受ける。
OSはなつかしのWindows7。
キーボードはテンキー付き。
キータッチはやや硬め。
マウスはコード付きで、故障か仕様かわからないが、右クリックできない。
モニターはほぼ正方形で、17インチくらいか。
思ってたよりも小さかった。
作業効率化のため「ブラウザ」と「メモ帳」をタスクバーに設置しておく必要があったが、すでにそうなっていた。
申し込みのとき申告していた試験開始予定時刻(午後2時)にはまだ時間的ゆとりがある。
このままPCを借りて自習するか(ただし有料)、どこかでテキストを見直すか。
前者の予定だったが、模擬試験プログラムは暗記するほど繰り返してきたので後者にした。
会場を後にし、落ち着けそうな場所をさがす。
なにぶん土地勘がないので駅周辺の人通りが多そうなところをキョロキョロしながらウロウロする。
地味にこの時間がもったいない。

ようやく見つけた店でコーヒーを注文して奥の席にひきこもる。
テキストを見直し、間違えそうなところを書き留めたノートに目を走らせる。
一通り復習を終えて時計を見る。
これまでやれることはやってきたし、これ以上先延ばしにしても点数は変わらない気がしたので店を出ることにした。
喫茶店かファーストフード店、もしくはベンチがある公園……
会場へもどる道すがら、これも事前に調べておけばなァと思う。
- 教訓 その2
- 会場近辺の落ち着けそうな場所(喫煙者は喫煙所)も事前に調べておく!
Webクリエイター能力認定試験スタート

会場にもどり、試験開始を告げる。
コートとカバンを隣の席において着席。
バガキ大の受験票(右画像→)に氏名・住所・電話番号などを記入する。
会場コードと受験番号は記入済みだった。
「模試はやりましたか?」
「はい」
「それと同じですので」
担当の方はそう言ってモニター画面中央にある試験プログラムのアイコンをダブルクリックした。
何度目にしたかわからない試験の説明が目の前のモニターに表示される。

この後画面の指示通り「ブラウザ」や「メモ帳」を起ち上げ、表示調整やら操作確認やらしている間に試験は始まった。
いや、始まっていた!
すでに右下の「経過時間」表示がカウントを始めている。
終了についての説明はなかった。
- 教訓 その3
- 試験が開始されるタイミングに気を付けよう!
知識問題の難問は指折り消去法で
知識問題は全20問。
制限時間は20分。
1問1分でやっていたら見直しの時間はない。
結局10分で回答する。
自信ナシが2、3問あったが、他は即答できるほど簡単だった。
念のため全問問題文を読み直し、答えをチェックしていく。
すると、1つ間違いを発見した。

指定された領域の「番号」を確認すること!(上画像はサンプル問題)
「領域8に使用している手法として適切なものを選べ」という問いに答える際、「領域11」を参照していた。
問題の流れと領域の位置関係から、「領域8」を「領域11」と勘違いしていたことによるミスだった。
見直しの際は「適切なものを選べ」と「適切でないものを選べ」に気を付けるだけでなく、「指定されている領域」をあらためて確認する必要があると思った。
自信のない問いは消去法で正答率を上げていく。
モニターに直接書き込むわけにはいかないので指を折りながら候補を絞っていく。

(左)人差し指~小指にそれぞれ選択肢「ア」~「エ」を割り振る。
(右)除外した選択肢の指を折る。上の例では「イ」と「エ」の二者一択が一目瞭然!
見直しも含め18分で知識問題を終了。
担当の方から説明があるかと思ったが、すでにその姿はなかった。
別室でモニターしているのだろう。
自動的に実技問題の操作練習が始まる。
時計を見ると、12時55分。
実技の試験時間はテキストエディターの場合110分。
時間に直すと1時間50分。
なので終了予定時刻は14時45分。
- 教訓 その4
- 開始時間をぴったり切りのいい時刻にすると、試験終了時刻がわかりやすい。
例:13時00分なら14時50分。
普段使いのPCと試験会場のPC
仕上がり見本と作業内容を確認する。
模擬試験/テキストでは結婚式場の案内サイトを作成した。
本試験ではネットショップを作成する。
「ブライダルフェア(ギャラリー)」が「商品紹介」、「お問い合わせ(フォーム)」が「メルマガ登録」に代わっただけで作業内容に大きな違いはない。
特につまづくことなく作業をこなしていく。

念のため一問ごとに記述したHTMLタグやCSSルールが適切かブラウザに表示させて確認する。
このひと手間をおこたるとミスの発見が遅れ、気付いたときにはどこで間違ったかわからなくなっている。
運よく修正できても大幅な時間ロス。
原因を特定できなければ「最初からやり直し」である。
すると、基本レイアウト(全てのページの元になるページ)の表示がおかしいことに気づいた。
全体を「中央揃え」したのに左端に寄ったまま……
「マージン」と「パディング」の設定すら効いてない。
どういうこと……?
もしここが間違っていたら他のページにも被害が及ぶ。
時間をかけてでも原因究明しなくてはならない。
穴のあくほど見つめた結果わかったことがある。
ミスはしてない!
ふと思いついてブラウザの左端をドラッグして引っぱってみる。
すると、1pxの隙間もなかった左側にスペースがあらわれはじめた。
全画面表示に切り替える。
謎が判明した。
モニターが正方形だったのでページの横幅が表示されるギリギリだったのである。
問題文を表示させるブラウザの幅をせばめて作成したページの表示スペースを拡げた。
仕上がり見本と同じになった。
- 教訓 その5
- 事前に試験会場で使用するPCと普段使いのPCとの違い(特にモニターの見え方とキー配列)を確認しておこう。
実技試験中に注意したこと
HTMLパートのほとんどはコピー&ペーストとカット&ペーストで占められる。
なので左手薬指(小指)は常に「Ctrl」キーに置いておいて、その都度「C(コピー)」や「V(ペースト)」、「X(カット)」を押すという感じで作業した。
慣れないキーボードだったため後半指が痛くなり、手をぶらぶらさせたり手首を回したりして血行不良を解消した。
- HTMLパートで特に気をつけた点
- id属性を設定するのか、class属性を設定するのか?
- タグ入力効率化のために用意しておいた「<></>」の消し忘れ
- 全角文字と半角文字(特に数字)
HTMLタグを入力する際、一々「<></>」を入力するのは地味に面倒。
そこであらかじめ「メモ帳」の一番下に「<></>」と記述しておいた。
こうしておけば、「<></>」をコピペして中身(要素名)を打ち込むだけで済む。
ただし、一点気をつけなくてはならない。
この本来不要な「<></>」を放置したままにしておくと、当然ミス扱いになる。新しいページに移る前に必ず消去してから保存するよう心掛けた。
- CSSパートで特に気をつけた点
- 「{」と「}」、「:」と「;」の打ち忘れ
- 「指定された場所」に記述しているか
CSSルールを記述する場合、基本的に「{」と「}」、「:」と「;」はセットで使用される。

「color:;」と打ってから→「color: #5f5039;」と打つ
その打ち忘れを未然に防ぐため、予めその4つを入力してから中身の定義を記述するクセをつけておいた。
なのでそれらの打ち忘れはない。
ただし一つ例外がある。
「@import url(common.css);」の場合、最初の「:」がないので、つい最後の「;」を忘れがちになってしまう。
要注意!

「基本レイアウト」のCSSは「基本レイアウト」の範囲内に
またCSSルールの記述ミスに気をとられるあまり、それが「指定された場所」に記述してないというポカにも気をつける必要がある。
MOSとWebクリエイター能力認定試験
こうして予定の5分遅れで全作業を終えた。
試験時間はまだ10分以上残っている。
すでに満点の手応えがあったが、気を抜かず見直し作業に入る。
仕上がり見本と作成したページをすべて見比べてみたが、違いは発見できなかった。

経過時間は「109分」。
110分になったら試験は終了。
……ってことは、あと1分以内に「提出用ファイル」を作成しなくちゃならないってこと?
厭な予感が脳裏をよぎる。
見ると、経過時間は「110分」。
「マズい!」という感触が胸中に広がっていく。
あわてて提出用ファイル生成ボタンをクリック。
「お疲れ様でした」
背後から声をかけられる。
振り向くと担当の方だった。
帰りの電車の中で、こんな思考が何度も繰り返された。
もし間に合っていなければ制限時間オーバーとみなされる。
結果は「0点」、不合格確定。
もう一度受験しなおさなくてはならない。
また受験料と交通費が飛んでいく。
「高い授業料だった――」
そうつぶやきながら他人行儀な駅のホームに再び降り立ち、重い足取りで会場へ向かう自分の後ろ姿が目に浮かぶ。
一か月前、MOSの試験を受けた。
「Excel 2013 スペシャリスト(一般)」では、試験開始から規定時間(50分)が経過すると強制的に終了する。
そうなるともう修正できない。
すでに画面は無慈悲に切り替わっていて採点作業が始まっている。
30秒もしないうちに採点結果と合否判定が画面表示される。
それをプリントアウトしたものをもらってその日は帰宅。
後日正式な証明書が送られてくる。
ある意味、PCの検定試験らしい合理性を極めたスタイルだった。

MOSの合否は試験終了直後に知らされる
その経験が焼き付いていて、サーティファイの「Webクリエイター能力認定試験」の終わり方はどこかスッキリしないものに感じられた。
帰宅してからはもちろん、しばらく胸のもやもやがとれなかった。
だが、試験が終了したとき担当の方に質問しておけば安心して試験結果を待つことができたわけで、そうすることができなかったことが悔やまれる。
- 教訓 その6
- 不安や疑問点があった場合はためらわず試験官に質問すること。
目指せ、満点合格!
試験結果は郵送してもらえるよう手配しておいた。
合格不合格にかかわらず自宅に届く。

Webクリエイター能力認定試験の結果
という結果だった。
実技問題は全問正解。
知識問題を1問ミスしたようだ。

Webクリエイター能力認定試験の認定書
とはいえ合格である。
満点合格は他の人に託そう。
この体験談を活かしてくれる人ならきっと実現してくれるだろう。
- 教訓:まとめ
- 会場までのルートは事前にチェック!
- 会場近辺の落ち着けそうな場所(喫煙者は喫煙所)も事前に調べておく!
- 試験が開始されるタイミングに気を付けよう!
- 開始時間をぴったり切りのいい時刻にすると、試験終了時刻がわかりやすい。(例:13時00分なら14時50分)
- 事前に試験会場で使用するPCと普段使いのPCとの違い(特にモニターの見え方とキー配列)を確認しておこう。
- 不安や疑問点があった場合はためらわず試験官に質問すること。
以上がサーティファイ「Webクリエイター能力認定試験」の受験を通して得られたことのすべてです。
同試験の受験を検討されている方のお役に立てば幸いです。
ここまで読んでくださり、ありがとうございました。